[WCS2017] 壁展開コケコライチュウ

ポケモン 技1 技2 技3 技4 特性 持ち物
カプ・コケコ 自然の怒り 挑発 リフレクター 光の壁 エレキメイカ 光の粘土
ライチュウR 10万ボルト サイコショック 目覚めるパワー氷 ボルトチェンジ サーフテール 拘り眼鏡
ガブリアス ドラゴンクロー 地震 剣の舞 守る 鮫肌 ジメンZ
ウインディ 火炎放射 バークアウト 鬼火 守る 威嚇 イアの実
ギャラドス 滝登り 氷の牙 龍の舞 守る 威嚇 命の珠
カビゴン 恩返し 十万馬力 のろい リサイクル 食いしん坊 フィラの実

■概要■
前回の構築「ぴかちる仁王立ちエンド(アローラのすがたhttp://d.hatena.ne.jp/bicho5296/20170115/1484485974」では、1手で両方の壁を貼ることができるキュウコンRを採用していましたが、それを天候書き換えによって邪魔するギガイアスの増加や、そもそもキュウコンより速いポケモン、スカーフ持ち、先制技などの集中で初手でキュウコンが縛られている状況が増えて活躍し辛くなりました。
そこで、SMシーズン1のシングルで「カプ・コケコが壁を貼って裏の積みエースを展開する」といった構築を見かけたのを思い出し、ダブルでも使えないかと考えました。

当初はスカーフガブリアスに弱すぎると思っていたのですが、カプ・コケコはHPに努力値を振るだけでAに補正のかかっていないガブリアス地震までは確定で耐える程度の耐久は確保されていて、素早さ種族値130の速さもあり、1枚ずつとはいえかなり安定して壁を貼ることができます。
そして行動の安定感はともかく、カプ・コケコは特性エレキメイカーのフィールド効果も相まってとても火力の高いポケモンであり、昨今では拘り眼鏡やデンキZを持って強力な一撃を繰り出してくることが多いです。
相手からするとまずこれらを警戒しなければいけないので、電気の通るポケモンを対面させてしまった場合に守る、交替といった行動を強いられます。
そういった受け身の行動をとられると無償で壁を展開することができ、初手からアドバンテージを稼ぎやすいです。

この壁コケコをスタートとして、展開する積みエースを順に採用していきました。
まずはカビゴン。強靭な耐久力と回復技を持ち、壁と最も相性の良いポケモンと言えるでしょう。
のろいカビゴンが1匹いるだけでトリックルームを軸とする構築に強くなれ、対策の薄い相手にはイージーウィンを狙いやすいです。

次に、カビゴンが苦手とするベトベトンRやウインディに強く、2段階上昇で崩し速度の速いガブリアス
ガブリアスはこのルールの最メジャーポケモンであるため火力の調整先になっていることが多く、壁によって確定数をズラせるため本来動かし辛い場面でも強引に積みにいったり、タイマンで勝てる範囲が広がるなど壁の恩恵は大きいです。
自分でエレキフィールドを貼って電気の威力を高めてしまうため、電気の一貫を切る意味でもやはり必要です。

ここで、コケコがスカーフガブリアス地震を耐えられるとはいえかなり行動が制限されてしまうことや、自分のガブリアスが積んだところで地震を撃ち辛いと旨味が少ないので、浮いていて決定力となるポケモンがほしくなります。
最初はテッカグヤを採用し、このルールで最もよく見られるであろう並びのカプ・コケコ+ガブリアステッカグヤを形成していたのですが、テッカグヤは受けることができても処理速度が遅いため味方に負担を与えやすく、そのまま隣を攻撃され続けたり、敵ガブリアスが逃げていくターンにアドバンテージを稼ぎ辛いことが課題でした。
そこで、威嚇を持ち、ガブリアスを一撃で処理する攻撃手段と積み技を持つギャラドスを採用しました。

ギャラドスは初期には多くのプレイヤーが扱っていたものの、相方のガラガラRの減少に伴い環境トップの使用率を誇るカプ・コケコに簡単に倒されてしまうことや、同じ威嚇枠としてウインディが殆どの構築に採用されるなどの要因から昨今ではあまり見なくなりました。
しかし、龍の舞を積むことでカプ・コケコの上をとることができ、強化アイテム補正込みで逆に倒すことが可能になります。
自分のコケコが相手のガブリアスを誘いやすく、ガブリアス地震を撃つためには相手のコケコは守るか退く必要があるため積むチャンスは作りやすいです。

ここまでで基本的な戦術、勝ちに向かう流れが決まったので、残りは耐性面の補完を整えつつエースを立てるサポートを優先しました。

まず、氷やフェアリーに耐性を持ち、威嚇、鬼火、バークアウトと相手の決定力を削ぐことに長けているウインディが入ります。
構築の動きとマッチしていて、これまでに選択したポケモンとの相性補完も綺麗だったため迷わず採用でした。

最後の1枠はかなり悩みましたが、見た目と違いコケコに電気打点がないため水タイプに対する打点不足(特に数値が高く技が豊富なカプ・レヒレや、威嚇2枚とバークアウトを多用するためミロカロスが重い)を解消することと、HPに振ったコケコを上から一撃で落としてくるスカーフウツロイドなどを倒せるポケモンが必要でした。
まず流行りのスカーフカミツルギを試してみたのですが自分の肌に合わず、よく考えてみると雨ゴルダックに好き放題させてしまうことが判明したので却下に。
せっかくほぼ全ての試合でカプ・コケコ先発が固定となっているので、サーフテールで他の天候ポケモンやスカーフ持ちを全て抜き去るライチュウRを採用し、コケコライチュウの形に落ち着きました。
構築名は「コケコライチュウ」ですが、実はライチュウは最後に入ってきた補完となっております。
採用理由は補完であり、実際コケコライチュウの初手を出すことは全体の3割程度ですが、相手から見るとコケコライチュウの高い素早さからの電気技は高圧的で、選出を歪ませることが期待できます。


■選出・立ち回り■
基本的にカプ・コケコ先発がほぼ固定です。「隣にライチュウや威嚇を置いても初手で行動前に倒され、尚且つ倒された後も積みアタッカーの起点すら作れない」みたいな場合や、マッチ戦で一点読みで裏を書こうとでもしない限りは出します。

カプ・コケコ+ライチュウ
相手にエレキ以外のフィールド要因がいないときや、いても電気の通りが良い相手に積極的に出します。
コケコを脅かすスカーフの可能性のあるポケモンに対しては弱点の攻撃をしかけ、それ以外は守るや無効タイプの交替出しがなさそうな方向にボルトチェンジを撃ち、積みアタッカーを出しながら壁を貼り、試合の流れを組み立てていきます。

カプ・コケコ+ウインディ
最も場を作ることに長けた並び。主にカプ・テテフ入りや、トリックルーム系統に出すことが多いです。
威嚇、壁、鬼火、バークアウトを生かしてとにかく相手の決定力を削ぎ落し、どちらかが倒れたところから積みエースを展開して攻めに転じます。
地面抜群2匹の並びなので、後ろからギャラドスを投げる動きが非常に強いです。

カプ・コケコ+ガブリアス
最近は数が減りましたが、ガラガラR入りに対してや、素早くベトベトンRなどカビゴンの苦手ポケモンを処理して詰ませに行くパターンなどで出します。
WCS2017ルールで頻繁に見る並びなので、ガブリアスのスカーフを警戒したりなどで相手が受け身になりやすく、初手でアドバンテージを稼ぎやすいです。

カプ・コケコ+ギャラドスは相性が良さそうに見えて、初手に出して敵コケコと対面してしまうと電気技とマジカルシャインどちらが飛んでくるか分からない択になったり、ギャラドスが相手からも威嚇を貰ってしまいやすいためあまりしません。
カビゴンも初手で出したところで瞬発的な火力がなく劣勢になりやすいため、どうしても早くのろいを積み始めたい場合くらいしか出しません。


立ち回りは殆どやることが決まっているため迷う余地は少ないです。
エースとサポートをするポケモンでキッチリ分かれていますが、今回の構築のように決定力が複数いる場合、
誰か1匹が積みに成功すると、その1匹が相手ポケモンを強く牽制して隣がフリーになりやすいのでその間に積むといった「エースでエースをサポートする」という動きが強いので積極的に狙いましょう(例:剣の舞を積んだガブリアス地震を撃ちながら隣でギャラドスが竜の舞を積む)。


■個別解説■
カプ・コケコ
177-x-105-x-96-200
・A182ガブリアスのダブルダメージ地震確定耐え
・A182ガブリアス地震Zを威嚇+リフレクターで高乱数耐え
・最速
壁を確実に貼ることが仕事なのでHS。
構築にS操作がないことや、カビゴンの積みを阻止しようと挑発や鬼火をかけてくる相手が多いのでそれらをS200から挑発で防ぎます。
壁役にありがちな、壁を貼っている間に悠長に積まれるなどを許しません。
攻撃技は火力に振らずとも全ての相手に大ダメージが期待できる自然の怒りを採用。
安定したダメージソースですが、少し残った相手にとどめをさせないことが大問題で、4つの技が相手に割れてしまうと弱いので注意です。
他にも素直な攻撃技としての10万ボルトやボルトチェンジ、フリーフォールなど持たせたい技が多く、本当にスペックの高いポケモンだと感じました。


ライチュウR
136-x-71-160-106-162
・10万ボルトでH175D151カプ・レヒレが乱数1発(50%)
サイコショックウツロイドハリテヤマを変態型でない限り確定1発
・目覚めるパワー氷でH184-D119までのガブリアスが確定1発
ドレディアカプ・テテフなど最速95族抜き
最初はアロライZで採用していましたが、猫騙しを撃たずに初手からZぶっぱしてすぐ死ぬみたいな展開が多く勿体なく感じたことと、ギャラドス不在時にガブリアスを倒せる駒が欲しかったので拘り眼鏡に。ボルトチェンジが強い。
エレキフィールド以外でガブリアスと対面した場合、スカーフが怖くてどの道動けないのでサーフテール前提で考え性格は控えめに。
ガブリアスに関しては、様々な型が存在するため初対面時から積極的に目覚めるパワーは撃ちたくないですが、他との兼ね合いでギャラドスを選出できずにガブリアスを受け辛いときに少しでも倒せる確率を高くしました。
他にも乱数とはいえカプ・レヒレを一撃で倒せる可能性があり、少し耐久値を削っていれば確定になりますし、ウインディのバークアウトと合わせて倒したりなどが期待できます。
素早さに補正をかけずとも最速95族を抜けるため、天候エースの上をとることや、先発でカプ・テテフにフィールドを奪われようが先にボルトチェンジで逃げるなり行動できます。
エスパー技は、サイコキネシスだとコケコの障害となるウツロイドや、カビゴンの天敵のチョッキハリテヤマを落とせないためサイコショックにしました。


ガブリアス
185-160-116-x-126-169
・BDカプ・コケコと並べた時に相手のダウンロードはAが上がる
ガブリアス確定1発調整の攻撃耐え(カプ・テテフムーンフォース、様々な冷凍ビームなど)
・最速
調整に関しては構築のプロトタイプの頃は初手にコケコと出すことが頻繁にあったのでその名残です。
攻撃を落としていますが、剣の舞を積むのでそれほど問題なく、壁込みで安定した耐久があったほうが使いやすいためこのままに。
地面技を撃ち分けられないガブリアスは弱いと思っているので持ち物は当然のジメンZです。
サブの攻撃技として、範囲をとるなら岩雪崩ですが、命中90の不安やワイドガード持ちに手が出なくなることを嫌いドラゴンクローにしました。
本ルールのドラゴンクローはイマイチ感がありますが、敵ガブリアスを倒す有効な手段でもあるため、この構築においては丸いと思っています。


ウインディ
196-x-101-121-101-161
・最速
長く居座ってもらうことと、相手のカプ・テテフより先にバークアウトが撃てるかどうかがかなり大きいため最速HS。
カプ・コケコと並びを共にすることが多いのでDに振ってダウンロード対策も視野でしたが、物理面の耐久を落としたくないことと、ポリゴン2程度なら火力を上げられたところで光の壁とバークアウトでどうにでもなるため軽視しました。
カビゴンミラーでは絶対に火傷を入れたかったり、カミツルギに対してはこちらのエースが全員不利気味なので大切に扱いたいためチョッキなどは持たさずに守るを覚えさせました。
持ち物は場持ちを良くするために回復系アイテムを持たせることは確定だったのですが、オボン、イア(半回復木の実)、食べ残しで非常に悩みました。
それぞれの特徴として、
★オボンの実:最安定アイテム。殆どの場合発動して、4分の1回復。集中攻撃で一気に落としにくる相手に強い。
★イアの実:発動条件が厳しいが、2分の1回復は大きい。立ち回り次第だが、上手く使えれば最も強い。
★食べ残し:回復量の期待値は オボン≦食べ残し≦イア 程度。こまめに回復して確実に耐久が伸びるが、強い集中攻撃ですぐに落ちる。持ち物がすぐバレる。
といった感じですが、本構築では壁、威嚇、鬼火、バークアウトで相手の火力を調整しやすく、上手い具合に4分の1に持っていきやすいためイアの実を採用しました。


ギャラドス
179-177-100-x-121-136
・A+1珠滝登りでH146B105カプ・コケコを確定1発
・珠滝登りでH197B101ウインディを確定1発
・珠氷の牙でH197-B116までのガブリアスを確定1発
・S+1で準速フェローチェ抜き
概要でも述べた通り、珠を持つことで龍の舞からカプ・コケコを倒せるようになるだけでなく、舞わずに動かす時や、舞った後威嚇を受けた場合も倒したい相手を倒せます。
素早さの調整に関して、136〜146の間と、その1.5倍の間に特に仮想敵が思いつかなかったため、微妙に足りない耐久を補おうと余りをHPに回しました。
しかし、ウインディのS調整がかなり幅広く、ワイルドボルト持ちに対して先手をとれるかは重要なため、最速にしておいても良いかもしれません。
最速にしたところで、ウインディのほうが素早さ種族値が高く、結局不安は付きまとうので、舞う前に対面してしまった場合は一旦守って様子を見たいところです。
ワイルドボルトを持っていて素早さに自信があるなら撃ってくるでしょうし、ないなら多分引くでしょう。
A+1珠滝登りは、H204B124テッカグヤも食べ残し2回込でも余裕で削りきれるほどのダメージを与えられるので、スタンダートなカプ・コケコ+ガブリアステッカグヤウインディ系統には積めると強いです。


カビゴン
254-142-108-x-155-31
・H16n-2
・A+1十万馬力でH146B105カプ・コケコを確定1発
・最遅
カビゴンの攻撃と耐久のバランスですが、特防に全く振らないと普通にカプ系のフィールド込みの火力でモリモリ削られてしまうため、ある程度は確保したいと考えています。
反対に、攻撃も無振りだと火力が出るのが遅く、相手に負担をかけられない間に周りのポケモンが倒れてしまいます。
最初に耐久ぶっぱでしばらく使用してみたところ、+1十万馬力でギリギリカプ・コケコを落とせなかったことがかなり厳しく感じたので、ここまで確保して残りを耐久に割きました。
よくカビゴンは防御に252振るところから入ると聞きますが、のろいカビゴンにおいてはそこまでする必要はなく、寧ろ特防を高めたいです。
BとDの調整先は特にありません。感覚です。このポケモンは様々な技を被弾し、何かを1発耐えたところで1ターンでどうにかするものでもないので耐久調整はほぼ生きないと思います。
素早さは対トリルでのろい1回でコータスギガイアスの下をとりたさがありますが、のろいカビゴンミラーで先手をとれることも大事なので理想を言えば最遅+1でしょうか。
3体のエースポケモンの中でも抜群の安定感を誇るので、余程苦手なポケモンで固められていない限りは選出します。


■総評■
急所に当たらなければ抜群の安定感を誇ります。急所に当たらなければ

カビゴンはしょうがないとして、ガブリアスギャラドスは被弾回数も少ないからそんなに当たらないと思うんですけどね。

バトルロードグロリア2017北陸予選、第10回北陸オフ4位
負け試合は1戦を除き急所か氷でした(´・ω・`)