[WCS2017] ブーストテテフスタン
WCS2017世界大会シニアカテゴリでいづみくんが使用。
DAY2予選スイスドロー2位通過、決勝トーナメントベスト8、最終世界7位でした。
構築を簡単にまとめると、相性補完を意識したスタンダードな形を取りつつ、「てだすけ」とフィールドでブーストした攻撃で相手を倒す構築です。
ポケモン | 技1 | 技2 | 技3 | 技4 | 特性 | 持ち物 |
---|---|---|---|---|---|---|
カプ・テテフ | サイコキネシス | サイコショック | マジカルシャイン | 10万ボルト | サイコメイカー | 拘り眼鏡 |
メタグロス | コメットパンチ | 思念の頭突き | アームハンマー | 守る | クリアボディ | エスパーZ |
ウインディ | フレアドライブ | 手助け | 鬼火 | 守る | 威嚇 | マゴの実 |
バルジーナ | イカサマ | 追い風 | 挑発 | 羽休め | 防塵 | サイコシード |
カプ・コケコ | 10万ボルト | 自然の怒り | 目覚めるパワー炎 | フリーフォール | エレキメイカー | 突撃チョッキ |
ガブリアス | 地震 | 炎の牙 | 剣の舞 | 守る | 鮫肌 | ジメンZ |
■構築経緯■
全国大会が終わったあと、日本準優勝のお祝いと野獣ポーズ強要についての謝罪のためいづみくんに電話して、世界大会で使いたいポケモン・構築はあるか質問したところ、
「ウインディが入ったマッチ戦向きにいろいろできるスタンダードな構築」
と、自由度の高すぎる回答が得られました。
大雑把なイメージですが、数あるウインディの型の中でも、耐久にガッツリ振って何度も場に繰り出しつつ、手助けで味方をサポートする型が最も扱いやすく動きの幅が広いと考え、手助けを持たせて強化先に相性の良いカプ・テテフを選択。
カプ・テテフは拘り眼鏡を持たせた上で1.5倍の補正(フィールドか手助け)をかけると、サイコショックでH振りウインディ、10万ボルトでカプ・レヒレや殆どのテッカグヤ(D150まで)を一撃で倒せるため拘り眼鏡を持たせることにしました。
10万ボルトに関しても、手助けに頼らずとも様々な状況で相方を交替してエレキフィールドに変えながら撃つことができると立ち回りの幅が広がると考え、カプ・コケコも採用しました。
軸としたい動きを決めて細部を詰めていく上で、JCS後やライブ大会辺りから、ウツロイドマッシブーンやカプ・ブルルが増えてきていたので、それに刺さるメタグロスがまず構築に入りました。
上記のポケモンに加え、更に前の環境からも多いポリゴン2+ギガイアスに強い点も評価できます。
本ルールのメタグロスは、弱点保険を持たせて味方の地均しで素早さを操作しつつ火力を上げる型が多いと思いますが、+2思念の頭突きではカプ・レヒレのような硬いポケモンを一撃で倒すまでには至らないことや、本構築ではカプ・テテフによるサイコフィールドや、手助けが仕込まれているので瞬時に強い火力が出せるエスパーZを持たせました。(ネガティブな意味合いでは、カプ・テテフが拘り眼鏡を持っていてウインディの地均しが打ちにくいこともあります)
教え技のない環境だとアイアンヘッドを使うこともできず、命中不安技しかないという弱点も一応克服できています。
ここまででS操作がなく、強力な攻撃を上から打ち込みたいことや、相手のメタグロスの処理が辛いと考えバルジーナを採用。
同じように追い風を使えてカプ・テテフと相性の良いポケモンとしてはフワライドがいますが、バルジーナはフワライドと比べて素早さで大きく劣るものの安定した耐久力を持っていて、サイコシードに依存しない点や後発での運用もできる点が立ち回りの幅が広がるためマッチ戦に向いていると考えました。
最後に、上記5匹で一貫気味な炎、電気、岩タイプに耐性を持ち、追い風や攻撃範囲が相性の良いガブリアスを選びました。
既にZはメタグロスが持っていますが、メタグロスは「刺さる相手に出す」タイプのポケモンであるため選出に困ることはないと思い、ガブリアスが最も活躍できるジメンZを持たせて2Z構築となりました。
■個別解説■
カプ・テテフ
★ステータス
147-x-96-198-136-147
・*1.5補正サイコショックで197-101ウインディ確定1発
・*1.5補正10万ボルトで204-150テッカグヤまで確定1発(カプ・レヒレ確定1発)
・地均しのため調整したウインディやその辺り諸々を抜くため準速
火力が必要なため特攻にほぼ全振り。一応威嚇込みでガブリアスの地震Zやカミツルギのスマートホーンを高乱数で耐えるため効率の良い11nに落として多少耐久に回しました。D151以上のテッカグヤに10万ボルトを撃った際に乱数が変わるため少し怪しくはあります。
昨今のウインディの素早さは殆ど最速テッカグヤ抜きの125〜地均し前提で計算している140あたりだと睨みSには補正をかけずに準速。
万が一最速バークアウトウインディに遭遇してもマッチ戦なので次の試合から踏まえて動けば良いかと捨てました。
★技
・サイコキネシス:最も火力の出る主力技。様々な相手に撃つ
・サイコショック:突撃チョッキ持ちや特防に大きく振ったウインディを一撃で落としたり、ウツロイドに撃つ
・10万ボルト:カプ・テテフが呼びやすいテッカグヤとカプ・レヒレを強化込で一撃で落とす
・マジカルシャイン:ダメージを稼ぎやすい全体技。特防に少し振ったくらいのガブリアスなら一撃
メタグロス
★ステータス
187-187-151-x-115-103
・思念の頭突きZで216-160マッシブーンを確定1発
・フィールド有思念の頭突きZで175-150までのカプ・レヒレを確定1発
・追い風時準速フェローチェ抜き
何か配分に意図があったかもしれませんが、対マッシブーンも対カプ・レヒレもやや過剰なので後で調整しようと思って忘れていた可能性があります。
★技
・コメットパンチ:相手のカプ・テテフやギガイアスなどへの遂行技。追加効果を引ければポリゴン2やカビゴンを押せる
・思念の頭突き:クリアボディのおかげで通しやすいエスパーZの種。フィールド込みのZは殆どの等倍相手を倒せる
・アームハンマー:カミツルギへの打点、攻撃上昇と合わせて対ポリゴン2、カビゴン、テッカグヤなど
・守る:一撃では落とされにくく集中されやすいため重宝する
メタグロスの数値やタイプは優秀なものの、教え技がないと技は貧弱です。アームハンマーの使いどころは多くはありませんが、サイコフィールドとアンチシナジーのバレットパンチや他の技と比べると撃つ機会が多いかと思いました。
ウインディ
★ステータス
197-133-101-x-132-125
・147カプ・コケコのフィールド有10万ボルトZ確定耐え
・最速テッカグヤ抜き
ウインディはウインディに簡単に受けられてしまうため火力には殆ど振らずにガッツリ特殊耐久に寄せました。攻撃は鋼タイプ等の処理に専念し、あとは何度も場に出し味方を手助けします。
★技
・フレアドライブ:鋼など役割対象の処理。高威力なので攻撃に振らなくても最低限の仕事はできる
・てだすけ:カプ・テテフ、メタグロス、ガブリアスなど幅広く強化する
・鬼火:カプ・テテフの耐久補助。カミツルギやテッカグヤに対し、裏から出てくるガブリアスなどに一貫する
・守る:大事に扱いたいため
フレアドライブ、てだすけ、守るまでは確定として、最後には神速を切って鬼火を採用しました。神速は自分で貼ったサイコフィールドに邪魔をされてしまいやすい点や、交替する可能性の高い威嚇のかかったカミツルギやテッカグヤに裏のガブリアスまで一貫する鬼火はあると便利だと感じたことが理由になります。
ミストフィールドには邪魔をされますが、こちらにはフィールドを書き換えられるカプが2匹いるため当てたい対象に通しやすいです。
バルジーナ
★ステータス
215-x-125-x-132-130
・D+1で161カプ・コケコの10万ボルトZ確定耐え(少し余裕)
・最速ペリッパー抜き+1
対雨に対してこちらだけが追い風を使いたいことや、最速テッカグヤやバルジーナミラーで先に挑発を入れること、そのあたりに素早さを調整したウインディに先手でイカサマが打てることなどを意識して素早さを高めました。
ここまで素早さに回してしまうとシード無しでは耐久が心もとないため、テテフバルジの並びに拘らないとはいえサイコシードを持たせました。
★技
・イカサマ:相手メタグロスの処理以外にも幅広い打点。ガブリアスやカミツルギの剣の舞への抑制にもなる
・追い風:採用理由である素早さ操作
・羽休め:2度目の追い風狙いや最後の詰めに
・挑発:ポリギガやウツロイドマッシブーン以外のトリックルームは出来るだけ防ぎたいため
カプ・コケコ
★ステータス
175-121-106-116-116-179
・182ガブリアスのダブルダメージ地震確定耐え
・161ゴルダックの雨ハイドロポンプZ確定耐え
・最速110族抜き
現6匹の構成ではどうしても雨が重いため、対雨を強く意識した配分にしました。数値で耐えることを諦めて気合いの襷を持つことも視野ですが、フィールドを奪うために裏から投げる運用を考慮し突撃チョッキ。火力は無振りでもフィールド込みで特攻に全振りした化身ボルトロスと同じくらいと言えば聞こえは良い。
★技
10万ボルト:フィールドありきではあるが主力技
自然の怒り:火力が出ない配分のためフィールドがなくても安定して削る手段として
目覚めるパワー炎:対カミツルギ
フリーフォール:ガブリアスの剣の舞補助や、カプ・テテフと合わせてドーブルなどのこの指とまれコンボ崩し
ガブリアス
★ステータス
191-180-116-x-121-149
・ダブルダメージ地震で146-105カプ・コケコを確定1発
・相手182ガブリアスの地震Z確定耐え
・143ポリゴン2の冷凍ビーム(無振りガブリアス確定1発調整)を最高乱数以外耐え
・最速デンジュモク抜き
しばらく使ってみたところ、ガブリアスミラー以外は最速である必要が薄かったらしいので火力も耐久も確保した欲張り配分にしました。
素早さは味方同士の順番で最速を切っていることがバレてしまうことを嫌い、自分のカプ・テテフ以上にすることを決め、148が最速デンジュモクだったのでそれより1高く設定しました。
★技
・地震:ジメンZの種。積みや手助けと合わせて色々倒せる
・炎の牙:カプ・テテフとの攻撃範囲を考慮し対鋼を意識。岩雪崩はワイドガードで詰むこともあって不採用
・剣の舞:追い風時やカプ・コケコのフリーフォールと合わせて積む機会は作りやすい
・守る:エースとして大事に扱いたいため
■DAY2伝聞レポートと総括■
いづみくんに世界大会の対戦レポートを聞いたのを簡単にまとめると、上手いことガブリアスで積んだり眼鏡テテフの火力を押し付けて勝ちまくってくれたようです。
負けた準々決勝の試合は1本はとったものの、全体的にミリ耐えされることが多くダメージ感覚の甘さで負けてしまったようです。
自分では5戦ほどしか回していないためよくわかりませんが全部勝ててたし、いづみくんも上手く使いこなせてたようなので良い構築が作れたと思います。
自分は全国大会止まりなのにジュニアやシニアの子供たちばかり結果を出してて、いい加減みっともないので来年はガンバリマス。