[全国ダブル]†王道を往く†ボルトランドスタン
第14回富山オフで使用して、優勝しました。
全国ダブルを始めるにあたって、最初は追い風噴火ドランのようなやりたいことをやるパーティーを組んでいたのですが、結局ボルトランド軸のスタンパが同じポケモンでも様々な型があったり人によって回し方が違ったりで厄介であり、なんだかんだ強くて自分も高種族値スタンパーティーは好きだったのでこれを組んでみることに。
10月初めに開かれた大正義オフでは、
ボルトロス(負けん気)、霊獣ランドロス、スイクン、エンテイ、ガルーラ、ユキノオー
という、スイクンの追い風を絡めたスタンチックなパーティーを使用しましたが、慣れない遠征で寝不足のせい(言い訳)で自分の立ち回りが酷く予選落ち。
パーティーは悪くはなかったと思うのですが、似たようなパーティーが多く、択ゲーが多くなり安定しなかったので解体。
そこからいろいろ試行錯誤していくうちに、このようなパーティーが出来上がりました。
正直、ゲッコウガ以外は現環境でよく見るポケモンで構成されており、持ち物も✝王道を往く✝ものばかりですが、良ければ見てやってください。
ポケモン | 技1 | 技2 | 技3 | 技4 | 特性 | 持ち物 |
---|---|---|---|---|---|---|
ボルトロス | 10万ボルト | 目覚めるパワー氷 | 電磁波 | 挑発 | 悪戯心 | オボンの実 |
霊獣ランドロス | 岩雪崩 | 地震 | 叩き落とす | 馬鹿力 | 威嚇 | 拘りスカーフ |
ガルーラ | 恩返し | グロウパンチ | 不意打ち | 守る | 肝っ玉→親子愛 | ガルーラナイト |
モロバレル | キノコの胞子 | 怒りの粉 | ギガドレイン | 守る | 再生力 | ゴツゴツメット |
エンテイ | 聖なる炎 | 神速 | ストーンエッジ | 地均し | プレッシャー | 突撃チョッキ |
ゲッコウガ | 冷凍ビーム | 悪の波動 | ハイドロポンプ | 守る | 変幻自在 | 命の珠 |
■概要■
大正義オフで、追い風から展開するパーティーが多かったことや、太鼓暗示などギミック系が結果を残したことから、悪戯心ボルトロスを軸にしようと決意。
負けん気ボルトロスを使っていたとき、いくらゴーグルでメタが進もうと増え続けるキノコ野郎モロバレルがウザかったので、挑発ボルトロスはこれを黙らせられる点も大きい。
また、この頃からメガガルーラは殆ど捨て身(恩返し)、けたぐり、冷凍パンチ、猫騙し(守る)のものばかりになっていると感じ、不意にやられるグロウパンチが強かったので自分でも使ってみようと思いました。
ボルトロスで挑発して置物になったサポートポケモンや、電磁波で麻痺を撒いて縛った相手にグロウパンチを当てたり、ガルーラより速いポケモンも麻痺を撒くことで積んだ状態で暴れまわる立ち回りを目指します。
グロパンを積むガルーラを生かしたいので、攻撃や鬼火など障害を吸い寄せられるモロバレル。
相手のガルーラや霊獣ランドロスなど強力な物理ポケモンの抑制のため霊獣ランドロス。
フェアリー耐性や、相手のモロバレルの迅速の処理のための炎タイプ枠はほぼ確定。
ここから残り1枠の穴埋めに何を入れるかと、炎タイプ枠に誰を採用するかをじっくり検討。
炎枠にはまずヒードラン(@食べ残し、噴火@風船、噴火@スカーフなど色々)やエンテイを試したり、残り1枠にマリルリやニンフィアを入れてみたりしていました。
しかし、中々しっくりは来ず、ここまででガルーラを上から縛るポケモンの中でも麻痺の効かない負けん気ボルトロスと、化身ランドロス、ガブリアスあたりが非常に重く感じました。
そこで、これらを上から縛れるポケモンということでゲッコウガを採用。
耐久の低いポケモンですが、かなり速い素早さで上からタイプ一致の冷凍ビームを打てる点が非常に優秀で氷の一貫性が高く、また水技も持っているのでよく採用される炎枠では受け辛い。
氷だけでなく、悪と水で現環境に多いポケモンに広範囲で技を撃てます。
特に使用率の高いミラー系構築には殆ど弱点をつけ、ガルーラには等倍であるものの、上からそこそこの火力で攻撃できるので集中やバレルのゴツメによる削りで縛れるのではないかと目をつけました。
ゲッコウガを入れたことにより、更に対モロバレルが厚くなったので(珠冷凍ビームで乱数1発)炎枠は噴火一撃で仕留める必要も薄く、半端な火力を補える神速や安定した耐久を買ってエンテイに。
このパーティーの素早さ操作は麻痺によるものですが、やはり噴火ヒードランは追い風やトリルなど絶対的な素早さ操作の元でないと使い辛いと思いました。
選出は、スタンパーティーなのでどのポケモンにも先発、後発の機会はありますが、多いのは、
といった形で、初手で麻痺を撒いたり相手を殴ったりバレルでゴツメ受けして瀕死寸前まで削って、裏からガルーラ出してグロパンから〆るといった立ち回りを目指します。
相手のガルーラメタが薄そうに感じたり、ニンフィアに圧力をかけておきたいときなどにガルーラは初手に持っていきます。
反対に、相手のパーティーに麻痺の効かないポケモンが多かったり、そもそもS操作の必要性が薄い場合はボルトロスは留守番。
エンテイ、モロバレルは後発であることが多いですが、相手によって稀に先発に。特に積みサポートの薄いガルーラマリルリの入ったパーティーは高確率で初手ガルーラマリルリで出されるようなので、モロバレルを初手に持っていけばアドが取れることも多いです。
ガルーラはこのパーティーのエース的な存在の唯一のメガ枠ですが、最近ではガルーラが動き辛いパーティーも多く、無理に選出しないほうが良いときもあるのでそこらへんの見極めも大事になってくると思います。
意識していたわけではないですが、ボルトロス+ランドロス+ガルーラ+草+炎+水という形になり、非常に綺麗なタイプ相性補完にまとまりました。
■個別解説■
ボルトロス
186-x-90-145-101-179
電磁波による素早さ操作や、トリル、害悪ポケモンに挑発をいれるのが仕事。
最終的に素早さに振った最速HSに落ち着きましたが、一応穏やかHBDみたいな個体や、めざ氷の枠を守るや身代わりにしたりで回したりもしてみました。
耐久に振ると、かなり長く場に留まっていられるようにはなりますが、素早さが遅いと特にめざ氷を撃ちたい相手に先制されてしまい、倒されなくても最悪雪崩で怯んだりするので使い辛かったです。
最速個体にすることで、相手の悪戯ボルトロスやレパルダスなどに先手をとって挑発を入れられますし、いちいち麻痺を挟まなくてもガルーラを上から縛ってくる削れたゴウカザルを倒したりや、非スカーフランドロス、スカーフを叩き落としたあとのランドロスを安全に処理できる点がとても便利でした。
その分、耐久が少し心もとないですが、XYから麻痺無効のポケモンが増えたことと、このパーティー自体それほど遅いポケモンが多いわけではないので麻痺を撒きたい相手が少ないことから、長居しなくても当てたい相手にだけ電磁波が使えれば充分であったため、特に困ることは少なかったです。
ちなみに、色違いを使うと負けん気でないことがバレてディスアドらしいですが、どーせボール注意深く見てれば分かるしアップデートでエフェクトが分かりやすくなったみたいなので格好つけて色違い使ってましたw
霊獣ランドロス
165-216-115-x-105-143
XY全国ダブルで最もKPが高いポケモン(だと思う)
思考停止ノータイムで入れることは避けましたが、対物理全般を広く相手にするためにやはりスタン構築を使う上では必要になってきます。
スカーフランドは増えすぎてメタられているし、技も融通が利かず弱い気もしましたが、冷凍パンチ持ちのガルーラが増えている以上他の持ち物は不安が残り更に使い辛かったです。
敵スカーフランドロスはやや対処が面倒ですが、こいつでスカーフを叩き落としたあとにボルトロス、ゲッコウガ、ガルーラあたりで処理するか、モロバレルで胞子を当てることで処理しようと考え、どうせ陽気最速にしたところで同速だったりだから既に持っている意地っ張り個体でいいかとA補正で使いましたが、特に火力が欲しくなる場面もなく、同速でもいいから先制する可能性があったほうが良い場面も何度かあったため、陽気最速のほうが良かったかもです。
ガルーラ
181-176-121-x-121-167(メガ後)
XY最強のメガシンカですが、誰もがメタっているのが当たり前なので思考停止で出せるほどは強くないです。
捨て身タックルは火力がありますが、バレルで受けてゴツメのダメージと合わせて倒しにくる相手も多く、それ以外の相手に撃つ際も無駄に体力を削られてメガガルーラ本来の耐久力の高さが失われてしまうため、前のめりな構築以外はやはり無反動の恩返しが最適だと思いました。
ガルーラの捨て身タックルに合わせて耐久調整をしている相手もA+1恩返しで丁度崩せることが多かったり、よく受けに来るモロバレルも先にグロウパンチで積んでA+2状態なら恩返しで倒せたりします。
先発で削ってグロウパンチ圏内に入れてから死に出しや、覚えてないですが猫騙しや隣の圧力で交替を誘いながらのグロパン積みは強力でした。
対リザバナなど、初手両守るの可能性の高い相手にはボルトガルーラで、一応電磁波を撃って保険をかけながら味方ボルトロスにグロパンで積み→次のターン電磁波守るorフシギバナに挑発&リザードンに不意打ち(初手のメガシンカ順でリザードンが速いか遅いかで耐久振りか判断)といった立ち回りをします。
トリックルームをされても先に積めれば守ると不意打ちで広く戦えるので万能でした。
細かいことですが、努力値は元々無駄な数値が出るのが嫌いで、火力を1落としただけで仮想敵へのダメージが響いたり、そもそも紙耐久なポケモン以外は極振りでなく、4-244-4-x-4-252に振り分ける性格なんですが、特にメガガルーラの場合はリグナさんがブログで細かく表に出していた通り、メガガルーラを一撃で落としに来る相手の乱数が大きく変わるため振り分け安定だと思います。
モロバレル
221-x-132-105-103-38
相手のガルーラなどの攻撃を吸ったり、トリル&雨などに強いポケモン。
悪戯ボルトロスに猫騙しが飛んできやすい分後ろから投げて受けたり、全体的にやや足りない火力を補うため持ち物はゴツゴツメット。
素早さは、麻痺を利用するパーティーなので出来るだけ上げたく、最遅ドサイドンついでに最遅トリトドン−1の38に設定。
特性も、受け回す機会がそれなりにあるので再生力。
攻撃技にもエナジーボールやイカサマなど候補はありますが、雨相手などに回復できる技は大きいと思いギガドレインにしました。
対トリルに関しては、ここまでメジャーなモロバレルですから変なポケモンが防塵ゴーグルを持っていることも多く、あまり過信してはいけないと戒められました。
エンテイ
222-176-116-x-96-127
準伝説らしい圧倒的数値とチョッキにより上がった特殊耐久で現環境に蔓延る炎フェアリーを完璧に受けるポケモン。
交替受けの性能が高く、他のポケモンとの縦の相性も良いため後ろに控えさせておくと安定します。
リザバナなどはこいつを温存させておくだけでかなり楽になるので、下手に状態異常を貰ったりしないよう大切に扱うことが大事です。
聖なる炎の威力、追加効果からの一貫性は言わずもがな、神速で死にかけの相手にとどめを刺したり襷エルフーンの安全な処理。
また、地ならしの素早さ操作が効いてくる場面も稀にあります。
ヒードランの噴火のような火力こそありませんが、一撃で落とされにくく、役割対象への遂行力は流石でした。
ゲッコウガ
147-x-88-155-91-191
電磁波の効かない速いポケモン全般に高打点を持っているポケモン。
全国ダブル環境が氷の通りやすい環境であり、鋼タイプが少なく氷を炎で受ける構築が多いため上からの水+氷は一貫性が高い。
一時、スカーフランドロスを狩るスカーフゲッコウガが話題になったこともあり、非スカーフで素早さで負けていても初見で相手の霊獣ランドロスにプレッシャーを与え動かし辛くできます。
持ち物はスカーフにしたところで逃げられては意味がないし、せっかく変幻自在で技を打ち分けられるのに拘るのはもったいないことや、素の火力がやや足りないことから命の珠に。
耐久が心細く気合の襷も余っていますが、変幻自在のおかげで意外と弱点をつかれにくく強化アイテムのない一致技くらいならギリギリ耐えることが多く、その他ゲッコウガを一撃で倒しにくるのが結局襷を無視するメガガルーラが多いことであまり発動機会が少ないように感じました。
ファイアローや、他のスカーフ持ちが怖くはありますが、そこらへんはボルトランドである程度カバーできます。
単純に電磁波の効かない高速ポケモンというだけでなく、ゲンガーやテラキオンといったガルーラの苦手な高速ポケモン全般にも強かったり、パーティーでやや少なめなクレセリアへの打点にもなってくれるので良い感じにパーティーの穴埋めをしてくれました。
スタン系パーティーで紙耐久ポケモンを採用するのは5世代の頃にはちょっと考え辛いですが、今のXYは基本的にスタンでもビートダウン傾向の強いパーティーが多く使いやすかったです。
配分は当然のCSぶっぱですが、数が減っているとはいえスカーフランドロスのとんぼ返り如きで死んでもらっては困るので(撃たれたことありませんが)高乱数を引かれない限り落ちないよう余りはBに振りました。
弱点をついて倒すのが基本ですが、ゴツメの定数ダメージや神速、不意打ちといった先制技を合わせると縛れる範囲が広くなります。
水技は、ハイドロポンプだとチョッキエンテイを一撃で落とせなかったり、メガガルーラをゴツメと合わせて倒せることに魅力を感じてハイドロカノンも試してみましたが、やはり僕の技量では使いこなせなかったですw
■総括■
一応、自分の納得できるボルトランドスタンを形にできたと思います。
最後の穴埋めに入れたゲッコウガが、それほど選出率は高くもないですが刺さっている相手に素晴らしい活躍をしたので良かったです。
ゲッコウガは水タイプといっていいか怪しいですが、やはりボルトロス+ランドロス+ガルーラ+(草、炎、水、フェアリーから3匹)の形は非常に安定しているといえるでしょう。
しかしながら、高レート帯だとガルーラを自然な形で楽に処理できるパーティーも多く、そもそも選出しても活躍し辛そうと見受けられることもそれなりにあったので、ガルーラは思考停止で入れれば強いといったわけでは全然ないと思います。
上記の形は、ガルーラを抜いた5匹である程度相性保管が完成されていて、ガルーラは相手に圧力をかけたり、5匹では中々手の届かない厄介なところを潰すといった感覚だと思うので、他のメガシンカポケモンを入れても強力な形だと思いますし、草炎水フェアリーの枠にメガシンカを使うのも強いでしょう。
自分の好みとして、メガフシギバナを使うならボルトランドフシギバナ+(炎、水、フェアリー、その他穴埋めから3匹)といった形でも組んでみたいですね。メガバナを使うなら水、フェアリー耐性が厚くなること、炎に弱くない草枠であること、メガガルーラがやや厳しいことから、ゴーストタイプは欲しくなりますね。
この形は少し違いますが、自分がカロスダブルのときに愛用していたメガバナスタンに例えると、
ボーマンダ、ガブリアス→霊獣ランドロス
ヒートロトム→ボルトロス、炎枠
マリルリ→水、フェアリー枠
ギルガルド→その他穴埋め枠
となるので、あのパーティーの全国ダブルverといった感じになりそうで多分肌に合うので是非使ってみたいですね。
XY全国ダブルは公式大会もなかったので考察する時間も少なく、カロスダブルほどは極められなかったと思いますが、使えるポケモンが多く、様々なパーティーを見ることができたのでとても楽しかったです。
次回作オメガルビー、アルファサファイアではまたメガシンカポケモンが増えて、パーティーの幅が広がるのでとても楽しみですね!